伊吹山への山行き

少し前の事ですが、久し振りの山歩きで、伊吹山に登ってきました。
学生時代にはよく行っていましたが、就職してからはとんとご無沙汰で、
四十数年振りの事になります。例によって晩酌でご機嫌な時に、
「いきましょう」と誘われ、例によって「うんうん」と返事をした結果です。
決行の一週間前に靴を買いに行き、ろくに足慣らしもせずに
標高220Mの登山口から1377Mの山頂まで、約7kmの行程です。
一合目で3人の脱落者が出た時に芽生えた不安は、三合目では大きな塊になっていました。
しかし「ここがギブアップの最終地点です。ここから先では引き返せません。
山頂まで頑張るのみです。」のコールに一人も手を挙げない事が私の不運でした。
五合目までは何とかなったものの、その先七合目では後悔の念で一杯で、
八合目から九合目では息切れが酷い上に足も痛くなり、
最後の岩場では本当にこのまま死ぬのかと思いました。
しかし持ち前のガンバリズムと、戦前生まれの意地を見せるのは今しかないと、
必死の覚悟で頂上に辿り着きました。
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良く晴れたお天気のお陰で素晴らしい眺めでしたが、達成感を覚えるよりも、
これで家内にバカにされずにすむという安堵の気持ちの方が強かったのが、本当の所です。
登頂の証拠写真を今見ても、ヤレヤレという気持ちと、呆然とした気分だけが感じられます。
事実女房は高山植物の小さな花がとても可愛く印象的だったと言うのですが、
私には殆どそんな記憶は有りません。とにかくこれからは少しぐらい酔っても、
山行きの誘いにだけは絶対乗らない様にしなければと、強く思った次第です。
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                             景山 浩道